都会の副業人材の力で、地方を変えようとする新しい取り組みのイベントが、11月25日(土)に東京で開催されました。

このイベントは「越境×複業カンファランス『KAIKOKU(開国)』」と題して経済ネットメディアのニューズピックス社と、山形のベンチャー企業ヤマガタズカンの子会社、チイキズカンが主催しました。

テーマは、「越境と共創」。

優秀な人材を求める地域の企業に、都市部のビジネスパーソンをつなげ、副業人材として活躍してもらおうという狙いです。

チイキズカン社の坂本大典代表は、
「あらためて日本のこれからを考えたが、地方こそ世界に出ていけるポテンシャルがある。
しかし、優秀な人が東京など都会にいて地方に向かっていないのが現状。完全に移住してもらうのはハードルが高いが、副業なら、ときどき地方に行けることも魅力となる。
また、転職マーケットは売り手市場になったが、副業は買い手、企業側が選べる状況なので、地方企業は優れた人材を獲得できる」
と話します。

会場では、人材を求める全国28の地方企業の経営者や代表が、自社の事業と求める人材について発表しました。

このうち北海道・十勝でホテルや百貨店の再生に取り組む元証券マンや兵庫県明石市で、下請けを脱するため異業種連携に取り組む鉄工所の後継ぎなどが、ユニークな話しぶりでビジョンを語りました。
耳を傾けた多くのビジネスパーソンは、その後、関心を持った経営者とテーブルを囲んで意見を交わしお互いのマッチングの可能性を探りました。

このイベントに参加し今後のビジョンを披露した福島県創業の学習塾『ベスト個別』を運営する株式会社ベストコの井関大介社長は、
「個別指導をオンラインで実現する仕組み、教育DXを進めています。そのための技術人材や、成長をつくっていく経営力ある人材を求めて来ました。
AIのシステムづくり、DX推進を実際に今やっている方や、教育の課題解決に関わりたいと意欲あふれる人に出会えました。この後につながっていきそうです。」
と手ごたえを感じていました。

こうした取り組みが、人口減少・人材流出が進む地方、そして高い技術を持ちながらビジネスチャンスの拡大に苦労する中小企業への福音となるのか。

都市部に居て、高い意欲とスキルを持つ人材が地域企業経営者とつながることで大きな成果が生まれることが期待されます。