福島市の復興牧場で、死んだ牛を不法に投棄した疑いで強制捜査が入ったことをを受け、21日朝、代表の男性がTUFの取材に応じました。「敷地内であれば埋めてもいいと解釈していた」男性はこのように話し、これまでに200頭ほど埋めていたと明らかにしました。

フェリスラテ・田中一正代表「みなさんに本当にご迷惑おかけしたという風に思って、申し訳なく思っております。本当にどうもすみませんでした」

21日朝、TUFの取材に、謝罪の言葉を話す男性。福島市土船の「復興牧場フェリスラテ」の田中一正代表です。フェリスラテでは20日、警察による強制捜査が入り、捜査員らが敷地内で重機を使って土を掘り起こしました。

関係者によりますと、牧場では死んだ子牛を、必要な手続きをせずに、敷地内に不法に投棄した廃棄物処理法違反の疑いがあるということです。ヘリコプターで撮影した映像では、捜査員が隠れるほどの穴を広範囲に掘っているのがわかります。

敷地内を掘り起こす捜査員・7月20日

そして、その傍らに、田中代表の姿もありました。どれほどの牛が埋められていたのか。田中代表は「牧場が始まった2015年ごろから埋めていた」とした上で、こう明かしました。

田中代表「200頭…200頭強ではないかという風に認識しております」

そのうえで、実際に作業をしていたのは、田中代表をはじめとする役員などに限られていたと明かしました。

田中代表「そういう汚れ仕事については率先して我々でやっていた。自分の敷地内であれば(死んだ子牛を)埋葬するのはいいのではないかと勝手に解釈していた」

埋めていたのは、死産や流産のほか、生後まもなく死んだ子牛ばかりだったと言います。

田中代表「死産とか流産の類であれば大丈夫ではないか(と思った)」

なぜ、適切な処分をしなかったのか。田中代表は、コストの削減ではないと強調したうえで、「震災前に飯舘村で牧場を経営していた際にも、同じように処分していた」と話しました。

田中代表「我々の敷地の中で完結、人様に迷惑をかけない、ただそういう認識だけです」

復興の象徴として注目されていた牧場に入った捜査のメス。警察は立件も視野に慎重に捜査しています。