岸田総理は、韓国の尹錫悦大統領と会談し、処理水の海洋放出をめぐり、「問題が発生した場合は、直ちに中断する」と説明して理解を求めました。

岸田総理は12日、訪問先のリトアニアで、韓国の尹大統領とおよそ30分会談しました。この中で岸田総理は、処理水を海に放出する計画について、両国の国民の健康や環境に悪影響を与える放出はせず、問題が発生した場合には直ちに放出を中断することなどを説明して理解を求めました。

韓国大統領府によりますと、尹大統領は放出計画について、IAEA=国際原子力機関の発表内容を尊重する意向を表明。そのうえで、モニタリングの情報をリアルタイムで共有し、点検の過程に韓国の専門家参加できるようにするよう求めたということです。

一方、香港政府は12日、処理水が放出された場合、福島や東京など10の都県からの水産物の輸入を即時に禁止する方針を明らかにしました。

これに対し、松野官房長官は、午前の会見で「極めて遺憾」とした上で、香港政府に対し「必要な情報提供を行い、さらなる規制強化を行わないことを強く求める」と話しました。