福島第一原発の処理水を海に放出するための設備について、7日、原子力規制委員会は東京電力に対し「設備に問題はない」として検査の合格を示す「終了証」を交付しました。これで、海洋放出するための設備面の準備はすべて整いました。

原子力規制委員会は6月28日から30日までの3日間、福島第一原発に入り、処理水を海水で薄めるための設備や、トラブルがあった際に、放出を止める「遮断弁」が、正常に作動するかなどを調べていました。

検査の結果、「問題は確認されなかった」として、原子力規制委員会は7日、東電に対し、検査の合格を示す「終了証」を交付しました。これで、処理水放出に向けた設備の準備はすべて整ったことになります。

終了証の交付後、東京電力ALPS処理水対策の責任者、松本純一氏は「これからは海洋放出設備の運用に関してしっかり安全最優先で取り組んでいきたい」と話しました。また、反対を示す地元の漁業者へどう理解を求めていくかについては「(理解について)一概にある一定の指標で測れるものではないが、だからこそ情報発信と対話を積み重ねていく」と答えました。

政府は夏頃までに海へ放出する方針ですが、西村経産大臣は7日午前、放出時期について政府全体で判断する考えを示しました。

西村経産大臣「具体的な海洋放出の時期は安全性の確保、風評対策の取り組みを政府全体で確認して判断していく」

海への放出をめぐっては、政府と東電が、県漁連と交わした「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」という約束を「順守する」としている中で、国内外で放出への反対する意見や懸念は根強いままです。