次の100年に向け新たなスタート
葛尾村では11日、村政施行から100年を祝う式典が開かれました。
葛尾村・篠木弘村長「新しい時代の村づくりに向け、力強い一歩を踏み出し、まい進することをお誓い申し上げます」
新しい時代の村づくりを進めると話した篠木弘村長。交流人口を広げて移住者の増加につなげ、活気ある村づくりを誓いました。
葛尾村は、原発事故の影響で、全村避難となり、2016年に大部分で避難指示が解除されました。残る帰還困難区域でも、一部で避難指示が解除されてから、12日で1年となります。
村に住む人は463人と人口の3割あまりですが、そのうち139人が震災後に村へ移住した人です。こうした移住者を中心に、村では新しい取り組みも始まっています。
神奈川から移住した松延紀至(まつのぶ・のりゆき)さんもその一人です。松延さんが去年の春から取り組んでいるのが、食用として広く使われるバナメイエビの陸上養殖です。

HANERU葛尾・松延紀至社長「(稚エビを)2週間くらい育てて、その後大きい水槽に移して3、4か月で育つ」
水道事業を手がけるコンサルタント会社に務めていた松延さん。その経験を活かし、養殖には村の井戸水を利用しています。
標高450メートルの葛尾村は、エビの養殖に向かないと言われてきましたが、去年12月、養殖に成功し、来年度の出荷を目指しています。今年2月には小中学生の給食に振る舞われるなど、村での期待も高まっています。
HANERU葛尾・松延紀至社長「いつになったら買えるの?村の名産として売っていきたいという話も出てきている。その期待になるべく応えられるように頑張っていかなきゃならない」
今後は養殖場を増やし、雇用も生み出していく予定で、松延さんは村の活性化に繋げていきたいと話します。
松延社長「ここに住んでいる人が誇りに思ってやれるというのが地方創生、地域経済の活性化に繋がる」
原発事故から12年あまり。復興の途上にある葛尾村ですが、次の100年に向けて、新たなスタートが始まっています。










