みなさんは「潜在保育士」という言葉を聞いたことがありますか?

保育士の資格は持っているものの、様々な事情で保育士として働いていない人のことを指します。

厚生労働省が調べた2020年のデータでは、「潜在保育士」は国内におよそ103万人(※認可外保育園などで働く保育士も含む)いると言われていて、資格を持つ人のおよそ6割にあたります。

辞めた理由として、これは東京都の場合ですが、「職場の人間関係」のほか、「仕事量が多い」「労働時間が長い」など、仕事の負担が大きいことがわかります。

こうした中、福島県郡山市で、場所や時間を柔軟に選べる新しい形の「保育園」がこの春、オープンしました。

郡山市の佐々木美智子さん(37)。在宅で、SNSを使い商品の紹介したり、販売したりする仕事をしています。

佐々木美智子さん

5歳の娘を育てている佐々木さん。子どもが今よりも幼かった頃は、子育てとの両立が、難しいこともありました。

オンライン保育園 あそぼーたいむ・佐々木美智子代表
「家事や在宅ワークをしているときに、ちょうど娘がかまってほしい盛りなので、ママって話しかけるときに誰か見ててくれる人がいたらいいなって」

在宅ワークや家事を進める中で、少しの時間でも、子どもの面倒を誰かが見てくれたら…。生活の中で感じたそんな悩みから、佐々木さんは4月、新たな事業を立ち上げました。

保育士「三角折ります、折れたかな?」
子ども「折れた」「ちょっとまだ、ぼくが折れてない。」

佐々木さんが立ち上げたのは、「オンライン保育園」です。

4歳から6歳を対象に、1回1500円で50分間、オンラインで子どもを見てもらうことができます。画面の向こうにいるのは、保育士資格を持つスタッフです。

折り紙や紙芝居など、スタッフがそれぞれの特技をいかして子どもたちと遊びます。

5歳の男の子「チューリップとか作るのが楽しかったし、先生と遊ぶのが好きだった」
福島県内の母親「かゆいところに手が届くサービスだなって感じていて(SNSなどで)動画を見ているよりは、先生とコミュニケーションを取りながら手遊びや歌ったりという機会があるのがとてもありがたいです」

場所を選ばず参加できることから、これまでに全国各地から30組程度が利用しています。

東京から利用した母親「忙しい時間帯に少しでも見ててくれるのはすごくありがたいです」

保育士不足ともいわれる中で、佐々木さんが着目したのは、国内に100万人以上いる「潜在保育士」です。

オンライン保育園 あそぼーたいむ・佐々木美智子代表「保育士の働き方を変えていきたい、ママの働き方を変えていきたい。これはマッチングできるんじゃないかって思って。」