福島県郡山市で2020年7月に飲食店が爆発し、32人が死傷した事故で、福島地検は31日、書類送検されていた飲食店の社長など男性5人を不起訴処分としました。

この事故は、2020年7月、福島県郡山市の「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で爆発が起き、内装業者の男性1人が死亡し、31人がけがをしたものです。爆発の威力で周辺の住宅など約230棟の建物が被害を受けました。

国の報告によりますと、店舗内のガス管が腐食し、そこからガスが漏れ、引火したことが爆発の原因とみられています。

警察は、店舗の運営会社の社長やガス管の設置担当者など4人が、ガス管を適切に管理せずに爆発を引き起こした疑いがあるとして、おととし、業務上過失致死傷の疑いで書類送検し、死亡した内装業者の男性も業務上過失傷害の疑いで書類送検しました。

書類送検から約1年半、福島地検は「過失を認定することが困難だった」として、31日付で4人を嫌疑不十分、1人を被疑者死亡で不起訴としました。

この事故をめぐっては、郡山市などが店舗の運営会社などに対して損害賠償を求め、現在裁判が行われています。

※不起訴処分を受けて、被害者の女性は4月12日、検察審査会に審査を申し立てました。