福島市の先達山で商業運転が予定されている大規模太陽光発電所=メガソーラーについて、福島市の市民団体は2日、工事完了の確認を先送りにすることなどを盛り込んだ要望書を県に提出しました。

福島市にある先達山のメガソーラーは、9月末ごろから商業運転が予定されていますが、地域住民からは災害への懸念や景観の悪化、反射光による「光害」などを指摘する声があがっています。

メガソーラーをめぐっては、県は、違反事業者の公表など不適切な開発を規制していますが、先達山の事業者については計画に問題がないとして開発の許可を出しています。

こうした中、市民や地質学の専門家などでつくる市民団体「先達山を注視する会」は2日、県に対し、適切に緑化を進めて景観を回復させるまでは工事完了の確認を先送りにすることなどを盛り込んだ要望書を提出しました。理由として、景観のほかにも、事業者側の報告した耐震性がいまの基準値の半分以下で算出され、地すべりや土砂崩れの発生の可能性が高いことなどをあげています。

また、会のメンバーが現地視察した際に、窓口対応など管理業務を行っていた事業者が、参加者の名前や発言内容を無断で県に提供していたなどとして、この事業者を提訴したことも明らかにしました。会では、9月中に市内で要望書や提訴の内容についての住民説明会を行うとしています。

「先達山を注視する会」の会見