震災から14年、住民の帰還や移住が進む福島県双葉町に、震災後初となるスーパーマーケットが誕生し、多くの人で賑わいました。
1日、JR双葉駅のすぐ目の前にオープンしたのは、イオン東北が運営する「イオン双葉店」です。内堀知事や双葉町の伊澤史朗町長など関係者が出席して、震災後、町内で初めて営業するスーパーのオープニングセレモニーが行われました。

内堀知事「このイオン双葉店がまさに買い物環境の拠点として、そして多くの方々が集う交流の拠点として機能することを非常に力強く思います」
震災と原発事故の影響で全町避難を強いられてきた双葉町では、3年前から住民の帰還が始まり現在、180人余りが暮らしています。しかし、これまで日用品を買うことができる店は、イオン東北が運営する移動販売車と、コンビニエンスストア1店舗のみで、買い物環境の整備が課題となっていました。そこで、今回町が建物を整備し、イオンが運営を行う公設民営の方式でスーパーをオープンすることになりました。

迎えた1日午前10時すぎ、開店と同時に住民たちが続々と入店し、食品や日用品を買い求めていました。
浪江町から来た人「ヨーグルトとかモモとか牛乳とか(を買った)カップヌードルも安かったしね」
大熊町から来た人「復興の助けになるのは間違いないんじゃないですか」
大熊町から来た人「(近所に)スーパーとかが少ないので、こういう新しい店舗ができてとてもうれしい気持ちでいます。週2くらいでは来たいかなと思います」
売り場面積がおよそ200平方メートルの店内には4500品目ほどの商品があり、県産の野菜や果物、地元でとれた魚介類などのほか、移動販売車にはなかった医薬品や酒類も販売されています。また、店内にはイートインスペースも設けられ、住民の憩いの場となることが期待されています。
辻雅信社長「町と一緒にお店も成長させていただけると思っていますので、丁寧にこれからもお客様と接していきながらお店を作り上げていきたい」
伊澤史朗町長「非常にほっとしたというか、やっと商業施設ができて(お客さんの)皆さん晴れ晴れとした顔、常設店ができるのは私にとっても嬉しい思いでいっぱいです」
イオン東北が原発事故の被災地に出店するのは広野店・浪江店についで3店舗目だということです。また、これまで住民を支えていた移動販売車も、今後も継続されるということです。
