福島県内では30日、これまでに相馬市で最大60センチ、いわき市小名浜で最大40センチの津波を観測しました。

午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近で強い地震がありました。地震の規模を示すマグニチュードは8.8と推定されています。

気象庁は、午前8時半すぎ、県内を含む太平洋側の広い範囲に津波注意報を発表。その1時間後には、注意報が警報に引き上げられました。福島県内に、津波警報が発表されるのは、2016年11月の県沖地震以来およそ9年ぶりです。

福島地方気象台の担当者「より規模の大きい地震だったということもあり、はじめは注意報でしたが警報にあげました」

気象台の会見

津波警報発表から1時間後、いわき市の内田市長はSNSで避難を呼びかけました。

いわき市・内田広之市長「沿岸部にいる人は、直ちに高台や避難ビルなど安全な場所に避難してください」

警報を受け、沿岸地域では住民が高台に避難してきました。

避難中の50代男性会社員「すぐ近くの会社から避難の指示が出たので避難してきました。自分は(津波警報が)初めてなので、怖いなと思って早めに避難した」

いわき市小名浜の三崎公園

午前11時前、いわき市小名浜では、サイレンが鳴り響く中、8月上旬に出漁予定のサンマ船が、津波の被害を防ごうと、沖に出航させる姿も。

上空では、海上保安庁のヘリが警戒にあたります。そして午前11時すぎ、いわき市小名浜に津波の第1波が到達。これまでに県内で観測した津波は相馬市で最大60センチ、いわき市小名浜で最大40センチとなっています。

相馬市情報カメラ 午前11時ごろ

小枝佳祐記者「避難所が開設されているいわき市の四倉高校です。こちらには多くの住民が避難してきているのですが、駐車場が足りず、グラウンドまで車があふれています」

いわき市内から避難した家族「最初はびっくりして、心がざわつく感じで避難するか迷っていたんですけど、子どもたち3人を守るためには、逃げなくちゃいけないかなという思いできました」

県内では、いわき市、南相馬市、楢葉町、広野町、浪江町、富岡町、双葉町の沿岸地域に避難指示が発表され、対象は、およそ10万8000世帯、24万人あまりに上りました。

吾妻康弘記者「午前11時過ぎ、いわき市小名浜の幹線道路です。沿岸部から内陸部に向かう車の列で渋滞となっています」

津波警報が発表されてからおよそ1時間半後、いわき市小名浜の鹿島街道では避難する市民の車で渋滞が発生。さらに…。

水津邦治アナウンサー「津波警報が発令されたということで現在海に向かう国道6号が通行止めになっています」

県内の沿岸部を通る国道6号では、津波の浸水が想定される一部の区間で通行止めになりました。