福島第一原発の廃炉に向けて、新たな作業が始まります。東京電力は、早ければ来年1月から、原発の建屋にある高線量の土のうを回収する作業を始めることにしています。

福島県楢葉町にある遠隔技術開発センターで公開されたのは、福島第一原発の建屋にある、高線量の土のうを回収するために開発されたロボットなどです。

東京電力は、原発事故直後、原発の2つの建屋の地下にたまった汚染水の放射線量を抑えるために、放射線を吸着するゼオライトが入った「土のう」を26トンあまり置いていました。

この土のうの表面が、現在1時間あたり最大で毎時4.4シーベルトと、人体に影響を与える非常に高い放射線量に達しています。このため東電は、早ければ来年1月から、ロボットを使って土のうの回収を始める予定です。

13日の訓練では、作業員が遠隔でロボットを操作して、水の中にある土のうの吸い上げを行いました。回収する土のうは、金属製の容器に入れて、原発構内の高台で保管する予定です。

東京電力 ゼオライト土壌処理PJ・山岸幸博グループマネージャー「難しさの意味でも、この廃炉作業を進めていくなかでも難易度が非常に高い作業のひとつだと思っています」

土のうを回収して保管する作業は、2027年度ごろまで続く見込みです。