福島市でも目撃情報が相次ぐクマに関するニュースです。福島市・吾妻地区を流れる一級河川の須川は、吾妻山から市街地へ流れているのですが、この川の近くでは先月、人がクマに襲われる被害が3件相次ぎました。いずれも命に別状はありませんでしたが、地元自治会はクマ対策として川の整備をするよう福島県に要望書を提出しました。

6日、福島県庁を訪れたのは福島市・吾妻地区の自治会のメンバーです。近くを流れる須川の治水整備に加え、クマの隠れ家となるような茂みを早急に取り除くよう県に求めました。

吾妻地区自治会・齋藤正明会長「クマがどこから出てくるかわからない状態。もう少し見通しが良い状態になってくれれば良い」

この地区では先月、70代の男性が犬の散歩中に茂みから出てきたクマに襲われるなど、クマによる人的被害が3件相次ぎました。

須川周辺がいまどのようになっているのか。現場を取材してみると……。

植野天斗記者「須川沿いにある堤防です。途中までは草が刈られていて、人が通れるようになっているのですが、ご覧のように奥に進むと整備がされておらず、草木が生い茂っています。クマにとっては絶好の隠れ家となりそうです。」

川沿いには草木がうっそうと生い茂っていました。近くに住む男性もいち早い対策を求めていました。

近くに住む男性「やっぱり怖いですよね。川沿いをきれいにしておけば、クマは近づかないでしょうけれど……」

福島県は今回の要望を受け、福島市などと連携を取りながら、川を整備をすすめたいとしています。

では、どういった対策が必要になるのでしょうか。

今回、地元自治会が整備を県に求めたのが、地区を流れる須川のおよそ1.6キロにわたる範囲です。現場の堤防では整備が途中までしか行われておらず、草木がうっそうと生い茂っていて、茂みからクマが飛び出してきそうです。

クマの生態に詳しい福島大学の望月准教授によりますと「こうした茂みはクマに限らず野生動物の通り道や隠れ家になりやすい」と分析しています。

福島県は今回の要望を受け、草木を取り除くなど川沿いの整備を行うとしていますが、望月准教授は「クマ対策の効果はあるが効果は一時的」だと指摘しています。

それではどのような対策が必要なのか。望月准教授は生ごみやペットフードなど、クマのエサになるものを屋外に放置しないようにすることが大事と話していました。自分が住んでいる場所にクマを寄せ付けないような対策が必要です。