知弥さんのこだわり。それは、福島県産のフルーツを使用すること。そして、和菓子屋に置く洋菓子らしく、和洋折衷の一品を必ず並べておくこと、この2つです。この日、ショーケースに並んでいたのは、ピスタチオのクリームと抹茶のコーティングが施されたスイーツ。中には、あんことチーズのムースが2層になっています。まさに和と洋を一度に楽しめる一品。和菓子屋である中野屋だからこそ生まれた商品です。

そして、最大の特徴は営業時間です。和菓子店なのに営業は午後10時まで。3代目の吉弘さんが夜もスイーツを求めている人が意外と多いことに気づき、およそ35年前から始めました。遅い時間帯も客足が途絶えません。名物・塩豆大福も、営業時間が長いことから、朝、昼、夜と時間を分けて作るようにしているといいます。

--お客さん「きょうは家族へのお土産です。めちゃくちゃ助かりますよね、こうやって飲んで帰ったあととか。」

--近くの店の人「お誕生日ケーキとして出すことが多いので、お客さんの方でもすごく喜んでくださって。」

多くの福島県民に愛されてきた「中野屋」。4代目の知弥さんにとって、父・吉弘さんの存在は・・・。

--知弥さん(4代目)「いい意味で職人らしくないのかな。普通の職人ではできないようなコミュニケーションだったりをしてくれたからこそ、今の中野屋が続いてくれてる。そういう意味では本当に尊敬していますね。」

受け継がれた伝統を守りながら新たに挑戦をし続ける。それが中野屋の在り方です。

--吉弘さん(3代目)「古いものは一つぐらい残していただいて、あとはもう好きに自分のやりたいことを挑戦してもらいたいですね。」

--知弥さん(4代目)「ずっとこの地域、福島市、置賜町、福島県の人たちに愛されるようなお菓子屋さんをずっと続けられたら一番いいのかなという風に思っています。」

中野屋は、きょうも夜遅くまで、明かりを灯し続けます。

『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年7月25日放送回より)