廃棄される漁網を再利用した国内初の取り組みです。宮城県岩沼市で13日、廃棄される漁網を原料の一部にしたアスファルトを使った舗装工事が公開されました。

岩沼市の県道塩釜亘理線です。こちらの舗装工事に使われているアスファルトに特徴があるのです…。

高橋未来記者:
「こちらの道路の舗装に使われているアスファルトには、このような廃棄される漁網が使われています」

使われているのは、魚をとる漁網。水産業が盛んな宮城県では、プラスチック素材「PET(ペット)」製の漁網の廃棄量が国内最多です。

その漁網を再利用しようと、ペットボトルのリサイクル技術を持つ「花王」が漁網をアスファルトの強度を高める改質剤に加工したのです。この改質剤を混ぜ込んだアスファルトが13日、岩沼市の道路工事で使われました。強度は通常の道路の3倍~5倍になるということです。

花王ケミカル事業部門エコインフラ部 吉川竜平部長:
「今回の漁網は、宮城県で廃棄されている材料ということで、それを使って宮城の道路を舗装することで、循環型社会の構築に貢献できるのでは」

日本道路総合企画部 川村修副部長:
「使い方次第では今以上の使い方があると思うので、そういった部分をアピール出来るように、今後も実証実験、実地調査をしていきたい」

日本道路総合企画部 川村修副部長

この道路では、従来のアスファルトと漁網を混ぜたアスファルトのそれぞれの舗装工事を行っていて、今後1年間、ひび割れやわだちの発生状況などを比較し、本格的な実用化を目指すとしています。