津波被害の教訓をともに伝え続けます。和歌山県の防災教育施設から運び込まれた樹木が4日、宮城県石巻市の震災遺構、大川小学校に植えられました。

大川小学校に植えられたのは、和歌山県広川町の防災教育施設、「稲むらの火の館」から運び込まれたサルスベリの木です。

「稲むらの火の館」は、1854年、安政元年に発生した安政南海地震津波で、田んぼの稲わらに火をつけて人々を高台に誘導し、多くの命を救った商人の教訓を紹介する施設です。

今回の植樹は、ともに津波の伝承に取り組む石巻市との交流を目的としたもので、サルスベリは、「ともだちの樹」と名付けられました。

稲むらの火の館 崎山光一館長:
「常に津波というときは、ともかく早く高いところに避難をするということを呼びかけているが、さらに全国へ世界へ発信をしていくひとつのきっかけになれば」

大川小の児童の遺族:
「同じ悲しみを持っているもの同士として、これから交流を持っていけるようにしていければ」

和歌山県広川町では、安政南海地震津波で36人、その92年後の昭和南海地震による津波では22人が犠牲となり、町を挙げて防災教育に取り組んでいるということです。