仙台市の西公園のシンボル「こけし塔」が長年の風化で塗装がはがれ、寂しい姿をさらしていました。そこで、仙台市は13日から、かつての美しい姿を取り戻そうと、塗装作業に向け準備を始めました。
13日朝はまず、作業員が高圧洗浄機で台座の長年の汚れを洗い流しました。

西公園のこけし塔は高さ7.4m、重さ8トンの鋳造で台座には秋保石が使われています。「こけし塔」は1961年、伝統工芸を活性化させようと、仙台商工会議所が山形の鋳造職人に依頼し設置、その後、市に寄贈されました。最大の特徴は型枠に、花をモチーフに施された「すかし彫り」という当時の最先端技術や斬新なデザインが話題を呼びました。

当時、制作にたずさわった山形の鋳造職人です。
鈴木鋳造所・鈴木巌代表取締役:
「大正時代に建てた工場でつくった。こんなでかいものは初めて。良くやったうちの父親たちが」

12年前の震災でも、目立った損傷は見られませんでしたが、長年の劣化で塗装がはがれ落ちていて、こけし塔に気付かない市民も増えました。そこで仙台市は、今回、新たに塗装を施し、かつてのこけしの美しい姿を取り戻すことにしました。
鈴木鋳造所・鈴木巌代表取締役:
「昔がよみがえるみたいで良かった」
新たな装いのこけし塔は、今月中にお披露目の予定です。

仙台市では、「再び西公園のシンボルになってほしい」と話しています。