小説「荒地の家族」で芥川賞を受賞した仙台市在住の佐藤厚志さんが20日、tbcの電話インタビューに応じました。佐藤さんは「地元の方に応援してもらいいい結果が出た」と喜びを語りました。
東京でのメディア対応の合間に、電話に応じてくれた佐藤さん。19日夜の受賞発表から20日午前までをこう振り返ります。
佐藤厚志さん:
「目まぐるしかったので記憶がおぼろげで。なかなか眠れなかったですね(睡眠時間は)2~3時間くらい」
数多くのお祝いのメッセージも届いたと言います。
「たくさんありました。何件とかはなかなか言えないんですけども、ラインとかメールとか。全然眠れなかったので夜中に返しました」
仙台の両親には後日、直接会う予定だということです。
「テレビ見てたでしょうから改めて話すこともないかなと思うんですけど、たぶん親戚とかから電話も来てるでしょうからね」
「ちくま文庫とか岩波文庫って出たら買わないと版切れになるんですよ、もうなくなって手に入らなくなるから読む時間ないのに買う」
芥川賞作家の仲間入りを果たした佐藤さん。目標とする作家像について、受賞発表前のtbcの取材でこう語っていました。
「目標とする作家は申し訳ないけどいなくて。もちろん大きい山として僕が書くことを始めるきっかけとなった大江健三郎とか中上健次とかっていう大きい作家は遠くの山として見えますけど、そこを目指すというよりは僕独自の文学を。自分にしか書けないものがあるはずなのでどうにか探して書いていこうかなという感じ」
19日夜、記者会見を終えた佐藤さんは編集者らと食事や打ち合わせをしたあと、ある特別な場所を訪れました。
「文壇バーで、中上健次が飲んでいたお酒を飲みました。実際ボトルキープしていたお酒。マニアの希望も満たしていただいて満足な夜になりました」
小説「岬」で芥川賞を受賞した作家、中上健次が通っていた東京・新宿のバー「風花(かざはな)」で受賞の喜びをかみしめたといいます。
書店員として働きながら作品を書いてきた佐藤さん。今後も仕事を続ける予定だといいます。
「社会と接点が持てるように、書店員でなくてもなにかしら作家以外の仕事を持っていたいなという気持ちがある。書店員をなんとかできるだけ続けながら、やっていこうかなと」
改めて地元の読者に向けて、感謝も口にしていました。
「地元の方に応援していただいていい結果が出たと思っている。特に宮城県の方は舞台もそうですし、身近な物語として読んでいただけるかなと思うので、機会があったらぜひ手に取ってくれたらと思っている」







