第168回芥川賞が19日夜、発表されます。候補5作のうち、仙台市在住の佐藤厚志さんの小説「荒地の家族」も選ばれていて、仙台から芥川賞作家が誕生するか選考結果が注目されます。
佐藤厚志さんは、仙台市出身の40才。市内で書店員として勤めながら執筆活動を続けてきました。候補に選ばれたのは最新作「荒地の家族(あれちのかぞく)」です。

小説の舞台は、東日本大震災の被災地、宮城県亘理町。津波で仕事道具を失った40歳の植木職人の主人公がその2年後に妻を病気で亡くし、葛藤し、もがきながらも「災厄」と向き合い、生活を立て直そうとする物語です。
佐藤厚志さん:
「物語を純粋に楽しんでいただけたら、それで本当に一番うれしいし、そのなかでどこか一文でも単語一個でもいいから、癒しというか読んでよかったなと思える箇所が一か所でもあれば書いてよかったなと思う」

19日は午後4時頃から、佐藤さんの職場近くに仕事仲間や恩師らが集まって、選考結果の発表を待っています。

佐藤さんの恩師 東北学院大学・植松靖夫教授:
「きのうの夜から自分の事のようにどきどきそそわしています。期待して待ちたいと思います」

選考会は、東京・築地の料亭「新喜楽」で午後5時頃から始まっていて、佐藤さんは、都内で編集者と選考結果を待っているということです。







