宮城県大崎市では、震災の津波で長男を亡くした遺族が、長男が通っていた小学校で初めて講演しました。震災後に生まれた子どもたちに「日常への感謝を忘れないでほしい」と呼びかけました。

田村孝行さん:
「地震のあとにやってきた大きな津波によって健太は命を落としてしまいました」

大崎市の松山小学校で講演したのは、田村孝行さんと妻の弘美さんです。
七十七銀行女川支店に勤めていた長男の健太さんは、震災の津波で亡くなりました。

健太さんは松山小学校で6年間を過ごしました。田村さん夫婦は、健太さんの後輩にあたる児童たちに、何気ない日常への感謝を忘れないでほしいと語りかけました。

田村弘美さん:
「家族が揃って何気ない毎日を過ごせることが何よりも幸せなんだよって、息子が気づかせてくれたんです」

田村孝行さん:
「健太の命は守れたはずの命だったと今も強く思っています。最悪の事態を考えて、次に次の逃げ場がある場所に逃げる、これは鉄則なんですよ」

講演を聞いた児童:
「友達や先生と話せるのも当り前じゃないから、そうした日々を大切にしたい」「震災の時に生まれてなかったから私たちに関係ないではなく、震災と向き合って今後伝えていきたい」

田村さん夫婦が、松山小学校で講演したのは今回が初めてだということです。講演には、全校児童約160人が出席し真剣に耳を傾けていました。松山小では3月11日にあわせて、毎年こうした集会を開いています。