東日本大震災の発生から15年となるのを前に、被災地の宮城県警気仙沼警察署で指揮を執った元署長の佐藤宏樹さんが現役警察官の前で講演し、災害時の行動や心構えを伝えました。

佐藤さんの講演の抜粋です。

気仙沼市を襲った未曾有の被害

宮城県の最北端、岩手県に食い込むような形で太平洋沿岸部に所在し、サンマ、カツオ漁、フカヒレ加工等で有名な気仙沼市を管轄する気仙沼警察署長として勤務
していました。
講話では、東日本大震災発災直後から気仙沼警察署長として勤務した約2年間の体験をもとにお話させていただきます。
主な内容は、東日本大震災発災時の最前線の署長としての体験談でありますけれども、そこに内包されていることは反省・教訓や、現職警察官に伝えておきたいことで、大規模災害発生時の非常時において、県民が全ての警察官に期待していること、これは何か、一刻も早い救助救出救援等の活動を通じて、県民の安全の確保を図ってもらいたい、という切実な願いで、そのためには、警察官自身が命を失ってはならない。殉職者を出してはならないということだと考えております。
そして第一線で活躍する警察官の命を守ることは結果的に住民の尊い命を救うことにも繋がるということを最も大切なこととしてお伝えしたいと思います。
なぜそのように考えるようになったのか、順を追ってご説明させていただき
ます。

東日本大震災による被害、気仙沼市の被災状況についてです。
データは2025年2月末現在のものです。
死者数は1,109名、宮城県全体の約11.5%を占めています。
また、いまだ行方不明の方々は214名にのぼり、宮城県下全体の約17.6%になっています。
発災後ですね、15年も経過したこの時期でもですね、気仙沼市だけで、未だに100名を超える行方不明者がいることは、津波災害の特徴をよく表していると思います。
津波に飲み込まれた人々は、ものすごい力の押し波で一旦山側に流され、その後の強烈な引き波で海に引きずり込まれてしまった方々が多く、想像を絶する潮流の力で運ばれてしまったものと推認されます。