「村井が送り込んだ“極左のスパイ”とか」デマ・誹謗中傷に揺れた知事選

村井嘉浩氏(10月の選挙期間中)
「ネットご覧になりましたか。すごいでしょ。ひどいでしょ」

原因はインターネット上で広まった誹謗中傷やデマです。

村井氏を支援していた県議会議員も誹謗中傷の対象になり、警察に相談する事態となりました。

伊藤さんも例外ではありませんでした。

伊藤修人さん:
「ネットの党論番組に出たあとも私の応援をしてくれる人に『あんなやつを応援するのか』みたいな書き込みがあった」
「わたしの知らないところで「村井の送り込んだ極左のスパイだ」とか(書き込まれた)」

選挙では「家族に危険が及ぶかもしれない」との思いから、積極的な発信はできませんでした。

伊藤修人さん:
「家族がいるなかで、兵庫県知事選で家に反対派が押しかけてくるみたいなことも危惧して。住所とかを公開してSNSで批判を浴びてまで戦うやり方をとれなかった」

専門家は、SNS情報のみに接すると考え方が偏ったり意見が過激化したりするおそれがあると警鐘を鳴らします。

東北学院大学・源島穣准教授:
「SNSを中心とした情報戦が今後の選挙の舞台であることを確固にした選挙。県民、有権者にとっても、自分が正しいと思う情報に溺れていく、いわゆる『エコーチェンバー化』が進んでいく印象を強く持っている」

伊藤さんの得票数は2万票余りで、不本意なまま幕を閉じました。

伊藤修人さん:
「今後、こういった選挙がないように国でも対策はとってほしい。政治のコンテンツを収益化しないだけでも、だいぶ見える景色は変わってくると思う」

SNS上の誹謗中傷やデマに振り回された知事選。伊藤さんが願うのは民主主義のあるべき姿です。