■東日本大震災発生、高校が避難所に・・・

2011年3月11日、東日本大震災が起きました。

震災発生直後の石巻西高校、教員の音声:
「余震が来るかもしれないので今、生徒たちは外に避難させましたので、この後の対応策を外で相談すると思う」

斎藤幸男さん:
「その日は授業がなかったので、部活動をしている生徒と自習をしている生徒を避難させるということで、すぐ動いた。後先を考える余裕はなかった」

石巻西高校は、海から4キロほど離れた内陸にあります。災害時の避難所には指定されていませんでしたが、多くの地域住民が避難してきました。

車の誘導を行っているのは教職員たちです。

斎藤幸男さん:
「学校ってそういう場所だと思いますし、地域の人も指定避難所であるとかないとか分からない。人が助けを求めてきたときに、ここは避難所ではありませんって言えませんよね。」

石巻西高校には、44日間でおよそ390人の地域住民が避難。体育館は、遺体安置所となったため、教室を開放し齋藤さんら教職員たちが支援物資の手配などを行いました。

齋藤幸男さん:
「支援物資、何か食べたいのあるとか気楽に気さくに話すタイプなので、コミュニケーションがとれないというのはなかった。支えあうことがないと前に進めない。それがどっかにあった」

避難所運営を乗り切った一方で、石巻西高校では在校生9人と4月に入学予定だった2人が震災によって命を奪われました。

齋藤幸男さん:
「教員として一番つらいのは教え子の死なんですよね」

この11年、当時の体験を語り継いできた齋藤さんですが、その活動にも変化があったと言います。