仙台市は、夏の猛暑の影響などを踏まえ、市立の小中学校で行っている水泳の授業について、学校のプールの利用をやめて、民間などの屋内プール施設に切り替える方針を示しました。

郡和子仙台市長:
「夏の猛暑酷暑ということもあって、現実問題水泳の授業をそれぞれの学校で実施できないという状況があったと聞いている」

仙台市立の小中学校では、学校の屋外プールを利用して年間10時間程度水泳の授業を必修で行っています。

しかし、近年は、猛暑で熱中症の危険があり授業ができなかったり、プールの管理業務が教職員の負担になっていたりと課題が指摘されていました。

こうした状況を受け、市教委は、水泳の授業で学校の屋外プールの利用を原則やめ、民間や公営の屋内プール施設に切り替える方針を示しました。

これまで同様、教員が主体となり授業を行いますが、民間のインストラクターも補助的に加わります。また、屋内施設のため、冬でも授業を行うことができます。

今後、10年以内に学校のプールを順次廃止し、切り替えを進めていく方針です。

21日の市議会市民教育委員会では、概ね肯定的な意見が出された一方、保護者への丁寧な説明やプール廃止後の災害用水の確保などを求める声があがりました。

佐々木心市議:
「(児童は)バスで移動するということでありがたいが、その費用負担は」

市教委の担当者:
「市の予算において、バス代も工面してまかなう」

市教委は、10月30日から12月1日までパブリックコメントを実施した後、有識者らによる検討会議を経て、2026年1月にも基本的な方針を取りまとめることにしています。

仙台市教委によりますと、熱中症予防のため水泳授業を中止したことがある学校は3分の1に上ります。
2024年度は、182校中62校が熱中症の予防で水泳の授業を中止しました。
また、134校でプールの築年数が31年以上と、老朽化も懸念されていて、全国的にも多くの自治体で民間のプール施設の活用が検討され始めています。