目撃情報が相次いでいるクマ対策の取り組みです。
宮城県加美町では、14日に高校生らが収穫されず、そのまま放置され、クマの餌になる可能性があるカキの実を切り落しました。

宮城県加美町宮崎地区でカキを収穫したのは、色麻町の加美農業高校農業機械科の2年生と3年生9人です。

この活動は、町内で出没が相次いでいるクマの餌となる可能性があるカキやクリなどの果樹を収穫することでクマを人里に呼び寄せない対策として、町と高校、地域が連携して初めて行われました。

生徒たちは、枝切り用のハサミを使いながら仲間と協力し合って、3軒の住宅の敷地内に育つカキを一つひとつ切り落していきました。

高校生:
「太陽の光で目がくらんだり、首が痛くなったり大変。クマが里の方に下りてこないようにする努力は、今まで以上に必要と思う」
「管理する人もいなくなっているので、自分たち高校生などが地域と連携して管理していければいい」
「自分たちの力で、できるだけクマやイノシシなどの被害がなくなるように頑張ろうと思いながら、次はどうしたらクマやイノシシが来ないようになるのか、研究しながら今後も頑張りたい」

作業を依頼した住民の中には、樹齢60年ほどになる甘ガキの木が、高さ7mほどまで大きく成長したため年々、管理するのが難しくなっていると話す人もいました。

作業を依頼した住民:
「2年前にもクマがここに来た。ありがたい。年齢も年齢なので(木の)上に登るのも落ちたら大変なので助かる」

加美町によりますと、町内でのクマの出没件数は、9月は18件、10月は13日までに29件と急増しています。

加美町農林課 大場政之輔 鳥獣対策係長:
「地元の高校生と協力して、少しでも鳥獣被害を減らしていきたいという取り組みの中からうまれた。収穫を手伝ってほしいということであれば、町の方に相談してほしい」

加美町では、クマの人的被害を防ぐため、10月9日から非常事態宣言を出し、住民に注意を呼びかけています。