宮城県栗原市の栗駒山でキノコ採りの女性がクマに襲われて死亡し、一緒にいた別の女性が行方不明となってから1週間です。警察は女性の捜索を続けていますが、未だ手掛かりはありません。一方、加美町は相次ぐクマ出没を受け、非常事態宣言を出しました。

栗原市の栗駒山では10月3日、キノコ採りをしていた市内に住む自営業・志水春江さん(75)がクマに襲われ死亡しました。

志水さんと一緒に山に入った70代女性が行方不明になっていて、警察はこの女性もクマに襲われた可能性があるとみて、10月10日も捜索しましたが依然、見つかっていません。

栗原市や猟友会は現場付近に箱わなを設置し、これまで2頭の子グマを捕獲しましたが、志水さんを襲った個体ではないと見られます。

石川敬貴・加美町長:
「同時多発的にクマが出没している状況」

一方、加美町は町内でクマの目撃が相次いでいることを受け、10月9日、人的被害を防ぐためクマ出没対策本部を設置するとともに非常事態宣言を出しました。

加美町によりますと、9月、町内でのクマの出没件数は18件で、10月9日までに13件と急増しています。

石川敬貴・加美町長:
「自分たちの命を守ってもらいたいという思いで、少し強めだが非常事態宣言を出させてもらい、クマに警戒することを住民に分かってもらいたい」

加美町の非常事態宣言の期間は11月30日までです。宮城県内では2025年度、クマによる人身被害が3件起きていて、県は散歩や農作業など外出する際、鈴やラジオでクマに人の存在を知らせるよう呼びかけています。