ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナから、東北大学は8月、研究者の女性を受け入れました。避難してきた研究者の女性が語ったのは、毎夜のミサイル攻撃の恐怖でした。
■花火を見て、安全なところに来たと実感
宮城県内各地で打ち上げられた花火。夜空に大輪の花が咲く様子を見て、安堵感を覚えた女性がいました。

マリア・クラヴェツさん:
「日本人は嬉しそうに花火を見ていましたから、私も安心して見ました」

8月から東北大学に研究員として籍を置くマリア・クラヴェツさん(34)です。
ウクライナでは、ドニプロ国立大学で日本語と日本文学を研究していました。

クラヴェツさんが、仙台に来て驚いたというのが花火です。
ウクライナでは、爆撃と間違う恐れがあるため、花火は禁止されています。花火を楽しむ人を見て平和な場所に来たと実感したそうです。

マリア・クラヴェツさん:
「(日本に来て)安心しました。ほっとした。安全な所に来たとわかりました」

クラヴェツさんが仙台に来るきっかけとなったのは、今年5月、東北大学に送った1通のメール。現地の窮状を訴えた内容で、東北大学は、ウクライナ支援の一環で研究を続けることが困難となったクラヴェツさんを迎え入れたのです。


東北大学総務企画部国際サポート課 福井かおりさん:
「ウクライナから避難されてきた研修者や留学生の方々が安心して研究や勉強ができるようにサポートを続けていきたい」

クラヴェツさんのお気に入りの作家は、村上龍さん。日本に避難している間に村上さんに関する文献を読み漁って、作品の背景や歴史について理解を深めたいと考えています。

マリア・クラヴェツさん:
「本当に感謝しています。安全な場所で自分の研究を続けていくことは大切だと思います。ウクライナでは集中できませんでした」


クラヴェツさんが生活していたのは、ウクライナ中部の都市ドニプロ。

激しい戦闘がいまも続く東部や南部からは離れていますが、近くで爆発音がするときもあり、命の危険を感じたと言います。







