宮城県の特産品の販売などを行う東京のアンテナショップについて、県は閉鎖を決めています。こうしたなか、今後のアンテナショップのあり方について考える懇話会が開かれ、出席者からは「首都圏での販売やアピールが必要」などといった意見が出されました。
東京・東池袋にある宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」。宮城を代表する地場産品や土産物などが並ぶほか旬の海産物などを販売するイベントも開かれます。

客:
「(Q 店はよく利用するか?)そうですね、いつもこの時期は『萩の月』とかを売っているので」
昨年度の売り上げは、およそ5億3100万円とコロナ禍前を上回りました。しかし、店を設置する県は「費用対効果に見合わない」などとして賃貸契約を終え、今年秋頃をめどに閉店させることを決めています。
これに対し運営事業者の県物産振興協会は「首都圏での宮城の拠点機能を果たしている」として移転したうえで存続を模索しています。
宮城県物産振興協会 宮城ふるさとプラザ 大蔵国孝店長:
「『なぜなくすんだ』『もったいない』『次はどこに作るんだ』という問い合わせばかり。生産者にも消費者にも働いているスタッフにも少しでも喜んでもらえるような形になる受け皿を作りたいと思っている」

このアンテナショップの今後のあり方について、県庁で12日、有識者らに意見を求める懇話会が開かれました。会では、「首都圏で県産品を販売することは観光客の呼び込みにもつながる」といった意見が出されました。

宮城県物産振興協会 伊藤秀雄会長:
「物産の販売だけでない効果が当然ある。それを食べたから、作っているところに行ってみたい、現地で食べてみたいというのがものすごい価値としてある」

また、首都圏だけでなく「東北の隣県に注目した販売も必要ではないか」といった声もあがりました。
宮城学院女子大学現代ビジネス学部 大谷尚之教授:
「改めて自治体アンテナショップの目的は何なのかということを見直していま、いろいろな動きが出てきている。地元の足元を固めていくみたいな方向性も実は大事なのではないか」

県は9月中旬にも懇話会を開いたうえで意見を取りまとめ、来年度以降の事業に反映させていくとしています。県は「宮城ふるさとプラザ」の閉店後は県産品を販売する地域や場所の拡大を図っていきたい考えで、そうした取り組みを行う事業者をサポートしていくということです。