破裂するまで自覚症状は“ほぼなし”
「大動脈瘤は破裂するまでほぼ無症状。検査を受けていなければ動脈瘤の存在に気づくのは難しい」。静岡市の「県立大学前クリニック」の院長、松田巌医師は、症状急変の理由を説明します。「大動脈瘤は動脈壁が動脈硬化によってもろくなり(脆弱化)、その部分が時間とともに血圧によって『こぶ状』にふくらんで発生します」。いったん発症した動脈瘤は徐々に大きくなるそうです。
松田医師は「破裂するにはある程度のサイズになってから。急速に増大して破裂することは通常ありません。こぶができる原因となる疾患を持つ人はまずは自分の体に大動脈瘤があるのかを病院で検査する必要があります」と話します。
こぶができる原因は血管の劣化、つまり動脈硬化です。松田医師は「動脈硬化を引き起こす疾患は高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症。これらの病気を持つ人は自分は『大動脈瘤破裂』のリスクを持っていると認識して、治療をしっかりと行うことに尽きます」と強調します。







