「判断が的確で重みがあり 引っ張っていただいた」

<袴田弁護団 小川秀世弁護士>
1月7日、西嶋先生がお亡くなりになりました。82歳でした。ずっと酸素ボンベをつけて家の中でも動けていたそうなんですけれど、お手洗いに立って、朝、息子さんが倒れているのを発見した。その時点では心肺停止で救急車を呼んで、すぐ病院に運んだんですけれど、一旦脈が戻ったことはあったみたいですけれど、亡くなられたということで、自宅で亡くなられたという判断です。警察では検視をしたと聞いています。

息子さんと一緒に暮らしていたわけですけれど、ご家族の意向で葬儀が終わるまでは公表しないでいただきたいということで、きょう、千葉県野田市で葬儀が行われ、山崎さんに代表で行っていただいた。家族葬で小さな形で行われたと聞いています。

西嶋先生は、多分、今年の夏過ぎには必ず無罪の判決をいただけると確信していたわけですし、西嶋先生もそれを本当に待っていたと思うので残念です。西嶋先生としても悔しい思いだったと思います。

西嶋先生は、法律事務所に入られて、ずっと刑事事件を主に担当されてきた。島田事件が継続していた関係で、実は袴田事件はそれまで中断していたようなところがありますが、平成2年に正式に袴田事件の弁護団に入られて、その時はまだ一次再審の時ですけれど、その後、島田事件が終わり、袴田事件の最高裁の棄却決定が出た時から、その後、弁護団長として弁護団を引っ張っていただいた。

西嶋先生は、弁護団長になられても議事の進行役をずっとやられていた。袴田事件でも議論の中であれこれ言う人ではなかったが、判断が的確で重みがあって、我々としては最後になかなか収拾がつかない時に、こういう判断でいこうじゃないかと我々を引っ張っていただいた。

これからのことなんですけれど、西嶋先生がいま現在、主任弁護人という形で裁判所に登録してあり、裁判所にはこれから手続きを取らないといけないが、弁護団の体制をどうするか率直にまだ議論をしておらず未定です。私は副主任をやっているわけですけれど、副主任がいれば弁護活動自体は滞りなくできるので、皆と力を合わせて早く無罪を勝ち取れるようにやっていきたい。