「辛さ」を「抱き」かかえて「辛抱」できると「辛い」が「幸せ」に!「辛い」時には何が足りないか考えて

牧野:少年院にいる子どもたちって、周りの環境があんまりよくなくて、なかなか状況を打開できないということもあると思うんですけども、そういった子たちにはどういうことを伝えているんですか。

ゴルゴ:まず、いまの状況をどう捉えているかっていうのを聞きますね。幸せですかって、幸せな人は手を挙げてくださいっていうと、ほとんど9割は手を挙げません。ここにいるから不幸なのか。それも考え方の一つで、いまは自分を変えるときであって、いまは大変だと思うけど、「大変」っていう漢字は「大きく」「変わる」っていう漢字なんだよね。だから、いま、人生を「大きく変える」時だよ。そういうとらえ方をした方がよいと伝えています。

そして、「辛い」ときは「抱きしめる」、「抱きかかえる」。周りにそういう人がいたら、包み込んであげるっていうことが大事なんだね。だから「辛抱」することって大事で、「心」の「棒」が鍛えられ、「心の棒」でも「しんぼう」とも読めるんですけど、その「心棒」を鍛え上げて、「辛い」という漢字の上に、横棒を添えてあげると「幸せ」っていう漢字になるんだ。だから「幸せ」になりたかったら、いま「辛い」状況だったら、何が足りないのかっていうことを考えてみることが大事だって話します。

牧野:そんな話を聞いたら、子どもたちの目が変わるんじゃないですか?

ゴルゴ:「そうか」っていう顔になりますね、みんな。本当にとらえ方一つで、表現の仕方ひとつで違って見える、似ているけど違うんだというふうに表情が変わっていきますね。

牧野:この瞬間にも悩んでいる子どもたちがいると思いますが、ゴルゴさんから最後に声をかけてあげてください。

ゴルゴ:そうですね、「切る」という漢字は、あまりポジティブにとらえられない漢字ですけど、「切る」という漢字をメッセージとして送りたいですね。それは「切る」というふうにも使うけども、3000年以上の歴史の中で漢字はアップデートされて、迷いを断ち「切る」、思い「切って」やる、最後までやり「切る」、すべてを出し「切る」って使うんですね。そういうことが人生にとって大きなことだよっていうことで、「大きい」に「切る」で「大切」って、読むんですね。だから、何か大きいことをやるときは思い「切り」、最後までやり「切り」、出し「切る」、振り「切って」いくっていうことが非常に「大切」だっていうことを伝えたいですね。

ぜひ、頭の中で漢字を思い浮かべながら、いろんな苦しい状況にある人もいると思いますけど、乗り「切って」いただきたいなと思います。そういうことを「切」に思います。

【厚生労働省がHPで紹介している主な悩み相談窓口】
◇いのちの電話 
0120-783-556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
0570-783-556(午前10時~午後10時)

◇#いのちSOS
0120-061-338(日~火、金は24時間対応、水、木、土は午前6時~深夜0時)

◇こころの健康相談統一ダイヤル 
0570-064-556(相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります)

◇よりそいホットライン 
0120-279-338(24時間対応) 
岩手県、宮城県、福島県からは0120-279-226(24時間対応)