気象庁は災害をもたらす大雨の要因となる線状降水帯について「予測情報」の提供を6月から始めました。発生の可能性を事前に示すことで、私たちが出来る備えの幅も広がりそうです。

2020年7月、熊本県の球磨川が氾濫するなどした豪雨災害では、上空では「線状降水帯」が断続的に発生していました。

線状降水帯は発達した積乱雲が直線状に並ぶ現象です。帯状に続くため、ほぼ同じ場所に長時間大雨を降らせ、災害が発生する危険性が急激に高まります。

静岡県内でも、2019年7月の大雨や同じ年の9月の台風で線状降水帯が発生していたと指摘されています。

近年、災害をもたらす要因の一つとなっている線状降水帯。気象庁は6月から発生の可能性を事前に示す「予測情報」の提供を始めました。

<静岡地方気象台 鶴橋茂大気象情報官>
「例えば(静岡県の場合)『東海地方では線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります』というフレーズが入ります」

予測情報は全国を11に区分した地方単位で発表されます。静岡県は「東海地方」です。およそ半日から6時間前に示され、テレビやラジオなどのほか、気象庁のホームページで情報を得ることができます。

<静岡地方気象台 鶴橋茂大気象情報官>
「2年後には静岡県といった県単位での情報が出せるように観測や予測の強化を進め、最終的には市町村単位で危険度が把握できる形へ、2029年あたりには持っていきたい。初歩ですが、これから段階的に精度をより高めていくといったところです」

ただ、予測情報を発表しても、実際に線状降水帯が発生する「的中率」は4回に1回、予測情報を発表していなくても線状降水帯が発生する「見逃し率」は3回に2回と見込まれています。

<静岡地方気象台 鶴橋茂大気象情報官>
「線状降水帯が発生する・しないは別として、東海地方で大雨になる確率は高いということなので、今回の予測が発表された時はより一段危機感を高める必要があります」

気象庁は予測情報が発表された場合、たとえ、線状降水帯が発生しなくても、結果的に大雨となる確率はおよそ6割だとしています。大雨に対する危機感を早めに持ち、避難場所や避難ルートなどの確認をしてほしいと呼びかけています。

線状降水帯の予測情報が始まったことで、私たちが備えをする時間的なゆとりができます。ハザードマップを確認して避難準備をするなど予測を生かして私たち1人ひとりがどう行動するのかが大切です。