静岡県熱海市の土石流の起点には崩落した盛り土の一部がまだ残っていて、静岡県は梅雨前の応急的な安全対策を実施し、その現場が6月3日、地元住民に公開されました。被害を甚大化したとされる盛り土の責任はどこにあるのか?これまで報道の問いかけに応じてこなかった現在の土地所有者にSBSは独自取材をしました。

熱海市伊豆山で2021年7月に発生した土石流災害で、崩落の起点となった場所には今も崩れずに大量の土砂が残っています。

静岡県は、今年4月から梅雨前の応急的な安全対策として排水路などを設置する工事を実施。6月2日、応急工事を終えたとして、地元住民に現場を公開しました。

<中西結香記者>
「この黒い排水溝の下に管が設置されていて、盛り土が雨を吸い込み崩れてしまうのを防ぎます」

工事では、地下水を集めるための排水管を設置するなどして盛り土の地下に水が溜まるのを防ぐ仕組みを作りました。

<住民>
「安心はできない。まだ崩れる可能性もあるし、雨が降ると子どもたちが寝れない、起きてしまう現状も残っているので、安心安全な伊豆山に戻してもらいたい」

この工事は、あくまで応急的な対応。熱海市は崩れ残った盛り土について本格的な安全対策を講じるよう前の土地所有者に対して指導してきましたが、明確な回答はなく、5月末、強制力のある措置命令を出しました。

前の土地所有者は、これまでのSBSの取材に対し「2011年の土地の売却後、熱海市は現在の土地所有者に指導してきたのに自分に措置命令を出すのは違うと思う」と話しています。

前の土地所有者から2011年に盛り土の土地を購入した男性です。災害の発生以降、報道の問いかけに応じてきませんでしたが、2022年5月、SBSは直接本人にこの災害の責任はどこにあると考えているのか聞きました。

<記者>
「●●さん(現在の土地所有者)の土地が崩れたのですが」
<現土地所有者>
「なんで答えなきゃいけないんだ」
<記者>
「どこに責任があると思いますか?」
<現土地所有者>
「分からない」

代理人の弁護士はこのように答えています。

<現土地所有者の代理人 河合弘之弁護士>
「(盛り土の土地を)買った時もその後も、盛り土があることも知らなかったし、盛り土が危険なこと、安全工事をする必要も知らなかった」

熱海土石流災害をめぐっては損害賠償請求、殺人罪などでの刑事告訴など、様々な角度から責任の所在について検証されていますが、土地の前と現在の所有者をはじめ、誰もその責任を認めていません。

LIVEしずおか 6月3日放送