保護者の代わりに地域の人が子どもを預かるファミリー・サポート・センター通称「ファミサポ」の活用が注目されています。
<坪内明美記者>
私も4月まで育休を取っていた時にファミサポに何度も助けられた経験があります。しかし、コロナ禍を越えつつある今、この大切なサポート活動が人手不足という課題に直面しています。
お母さんを見送る2歳の男の子とファミサポ会員の松永敦子さん(60)。松永さんは、1年前から近くに住む親子をサポートしています。
<まかせて会員 松永敦子さん>
「私も昔は働いていて、子どもが小さい時は本当に大変だった。今は子どもが成人して、時間もできたので、子育て中のお父さん、お母さんの力になりたい」
ファミサポは国が進める会員制の子育て支援事業で、静岡県内では31の市や町で行っています。育児のサポートを頼みたい「おねがい会員」が事務局を通して有償ボランティアの「まかせて会員」に依頼する仕組みです。おねがい会員は1時間600円ほどで利用できます。
静岡市に住む、おねがい会員の親子です。週1回、保育園のお迎えや預かりなどでファミサポを利用しています。
<おねがい会員の父親>
「非常に親切に親身になって手助けしてくださっているので大変ありがたい」
両親ともにフルタイムで働く中、子育てと仕事を両立させるためにファミサポを頼っています。
<おねがい会員の父親>
「子どもはちろん大事だけど、両親の生活、社会の中で生きていく上でとってもファミリーサポートは助けをしてくれている」
子育て世帯を支えるファミサポ活動ですが、子どもを預かる「まかせて会員」が足りていません。
<静岡ファミリー・サポート・センター事務局 荒川みず奈アドバイザー>
「サポート活動を円滑に行うには、まかせて会員の助けが必要。まかせて会員がどんどん増えてサポートが活性化すれば」
まかせて会員の活動は人の子どもを預かる大きな責任が伴います。静岡県によりますと、おねがい会員は約1万5000人。まかせて会員は4000人ほどで約4分の1に留まっています。
さらに事務局はコロナの規制が緩和され、今後、利用が増えると見込んでいて、まかせて会員の養成を進めています。
<受講者の男性>
「定年退職して6年になる。子どもが好きで、いろんな子どもたちと関わっていけたらいいなと。子どもと遊ぶことを楽しみにしている」
事務局は年3回養成講座を開き、参加者は安全にサポート活動するための知識や技術を5日間かけて学びます。
<静岡ファミリー・サポート・センター 荒川みず奈アドバイザー>
「コロナの中で孤独に子育てしていた方も、ちょっとお昼寝したいよだとか、ちょっと預かってほしいよという時にファミサポをぜひご利用いただけたら」
<まかせて会員 松永敦子さん>
「うち男の子2人いるけど、小さい時こんなだったなとか。こっちが元気もらっている。結構楽しい」
ファミサポは、育児で困った時に寄り添ってくれる、頼れる存在です。