リニア中央新幹線の工事をめぐる国の有識者会議が5月16日、東京都内で開かれ、静岡県内の発生土置き場に話が及んだことについて、静岡県は「JR東海と静岡県の協議の最中」として現在の計画を前提に議論するのは適切ではないと注文を付けました。
リニア工事が南アルプスの生態系に与える影響を議論する国の有識者会議。委員らの質問が集中したのが静岡県内の発生土置き場についてです。
リニアのトンネル工事による発生土は370万立方メートルとされていて、“巨大な盛り土”に関する安全性などに話が及びました。しかし、県は「JR東海と静岡県の協議の最中」として、現在の計画を前提に有識者会議で議論するのは適切ではないと注文を付けました。
<静岡県 森貴志副知事>
「発生土置き場を前提として進められる計画がありますから、そこについては少し遺憾だなというのが一つ」

一方、JR東海はこれまで長い時間をかけて県の専門部会で対策を話し合ってきた経過を引き合いに出し、検討中の発生土置き場の正当性を主張しました。
<JR東海 澤田尚夫執行役員>
「最近になって場所すら、置くことすらダメだという風に聞こえる発言もあるので、我々としては戸惑っています。ツバクロ(発生土置き場)はそうじゃなかったよなと」
水問題だけでなく、発生土の処理方法についても平行線をたどる静岡県とJR東海。落としどころは見つかるのでしょうか。