“ホワイトインパルス”の威力

神戸→花巻→再び名古屋小牧を経て、記者が初日の目的地福岡に到着したのは、夜9時半。静岡空港を出発してから、すでに13時間半が経過していた。気になる機体の揺れもなく(花巻空港周辺もスムーズに)いたって快適な空の旅、ヨーロッパ便など国際線では、同じぐらいの時間、飛行機に乗りっぱなしという経験はあるが、肉体的な疲れは、それほど感じなかった。長い区間でも、1時間半程度のフライト時間がそうさせているのかもしれない。この旅、最大の目的だった「屋台でラーメン」もしっかり達成。

2日目のハイライトは、青森空港。国内で最も積雪量が多いという空港を支えるのが、除雪チーム「ホワイトインパルス」だ。この季節になると、さまざまなメディアでその活躍ぶりが紹介されているが、記者もその威力をまざまざと見せつけられることになる。
外は横殴りの雪…「お兄さん、もってるよ」

この日の3便目、快晴の神戸空港を離陸した飛行機は、雪化粧した能登半島、佐渡島を下に見ながら一路、青森へ。着陸態勢に入り、厚い雲を抜けると青森空港周辺は横殴りの雪。飛行機は一面真っ白になった滑走路に、何事もなく着陸したが、雪は積もるばかり。「もし、欠航になったら、どうやって静岡に戻ろうか」ヒヤヒヤする記者、「こんなのいつものことよ」と売店のお母さんは笑うが、正直気が気ではない。
そこに突如、姿を現したのが複数の除雪車。そう、これが、噂に聞いていたホワイトインパルスだ。「みれてよかったね。お兄さんもってるよ」と再び売店のお母さん。滑走路の除雪は、朝イチにするものだと思い込んでいただけに、まさにサプライズ。「少し待っててけろ」。隊長の青森なまりのアナウンスにあわせて、一糸乱れぬ動きをみせる除雪車の一団。気づけば、瞬く間に滑走路は、離着陸できるまでに整っていた。結局、名古屋小牧行きの遅延は、たった30分。ホワイトインパルス、恐るべし。