リニア中央新幹線のトンネル工事で湧き出る水の「全量戻し」について、JR東海が新たな具体策を静岡県に示しました。

JR東海が静岡県に提案したのは、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事で湧き出て、県外に流出してしまう水を大井川に全量戻す具体策です。

具体策は2案あり、大井川から山梨県側に流出した湧き水と同じ量を山梨県内のトンネル工事で湧き出た水をポンプアップすることで、およそ1年後に元に戻す案。

もうひとつは、大井川上流の田代ダムで発電のための取水を抑制し、山梨県側への流出量と同じ量の水を大井川に還元する案で、時間差なく全量戻すことができるとしています。

2021年まで開かれていた国の有識者会議では、「県外流出した水を全量戻せば大井川の水量は維持される」という中間報告がまとめられたものの、その有効策が示されていないため、工事着工の判断に進捗はないままでした。

JR東海からの提案を受け、4月26日午後から再開する県の専門部会で検討が進められる見通しです。