最低10人は必要 過酷さを極める冬の救助体制
<大西記者>
夏と冬で、富士山の山岳遭難救助の体制はどのように違うんですか?
<坂上隊長>
夏の開山期間中は登山道が明確で、状況によっては隊員2人でも救助が可能なケースがあります。しかし冬はアイスバーンの斜面となるため、最低でも10人以上の救助隊員が必要です。体制が不十分だと、遭難者を救助できないだけでなく、隊員自身が無事に戻れない危険があります。また、開山期は隊員が交代で常駐していますが、9月から翌年7月までは山小屋も閉鎖され、常駐拠点はありません。
<大西記者>
常駐拠点がないとなると、救助開始までに時間がかかるのではないでしょうか?
<坂上隊長>
通報が入ると、勤務中の隊員だけで足りない場合は、休日の隊員も招集します。準備を整え、車両で行けるところまで向かい、そこからは徒歩で現場に向かいます。救助開始までに数時間、場合によっては日をまたぐこともあります。特に冬は、現場到着から搬送、救急車に引き継ぐまでに非常に長い時間がかかります。遭難者にとっては、何時間、場合によっては何日間も、痛みや苦しさに耐えなければならない状況になります。










