伊東市議選は、学歴詐称の疑惑を指摘された田久保市長が、自身への不信任決議をした議会を解散したことで行われます。「大義なき解散」ともいわれる中、市議選の費用には6300万円が市の財源から予算計上されています。
<伊東市選挙管理委員会 鈴木康之事務局長>
「予算計上はトータルで6300万円。こちらのポスター掲示場につきましても、今回の費用の一つ」
今回の伊東市議選では、候補者30人のポスター掲示場が約730万円をかけて市内の170か所に設置されました。
市議選の事前説明会に35陣営が参加したため、前回の選挙よりも3枠多い39枠を急きょ確保したということです。
市議選の費用6300万円のうち、ポスター掲示場以外では、候補者の選挙運動の公費負担2000万円、選挙事務職員の人件費1350万円、候補者の選挙運動用ハガキ500万円、投票所の入場券280万円などが挙げられます。
市議選の費用について、有権者に話を聞くと…。
<有権者>
「絶対反対、無駄づかい」
<有権者>
「無駄銭、死に銭だよ、こんなものは。市長の態度がふざけすぎているからこんなことになる」
こうした厳しい意見が相次いだ一方で、「市政は変えたいので仕方ない」と今回の選挙費用を容認する声も聞かれました。
「大義がない」ともいわれる今回の議会の解散。
引き金をひいた田久保市長の考えは―。
<伊東市 田久保真紀市長>
「30人そろったということが大義であったと考えている。私への賛否をメインにしている方もいるが、私は決してそれがメインではないと思っている。どなたが議会に上がってくるか分からないが、ある意味新しい流れができることに大変期待している」
市民から費用の6300万円について疑問の声があがっていることについては…
<田久保市長>
「選挙は民意を示す民主主義にとって大切な制度ですので、そこに対してお金がもったいないというのは、これは果たしてどうなのかなというのはある。30人出てきて、今後どんな議会が開かれるのかに注目してもらいたい」
改選後の新しい議会で再び不信任案が可決した場合、田久保市長は失職して改めて市長選が行われます。
2025年5月、田久保市長が前職との一騎打ちを制した前回の市長選の費用は約3000万円でした。
今回の市議選と次の市長選を合わせると、少なくとも1億円程度の公費が投じられる可能性があります。