静岡県立静岡がんセンターのがん検診を受けた男性が異常の見落としによって肺がんが進行し命を落としたとして、遺族が県に対し3750万円余りの損害賠償を求め提訴しました。

訴えを起こしたのは、静岡県東部に住んでいた80代男性の妻と息子です。

訴状などによりますと、この男性は2019年10月と2020年10月に県立静岡がんセンターで「マルチスライスCT」と呼ばれる高性能のCTを使った肺がん検診を受けた際に、確認すべきサイズの異常があったにもかかわらず、担当の医師は「特段の異常所見なし」と判断しました。

2021年2月に男性は別の病院でCTをとったところ肺がんと診断され、その後、病気が進行し2021年9月に死亡しました。

原告側の青山雅幸弁護士は9月30日に会見を開き、男性は早期にがんを発見できていれば死ななかった可能性があり、がんセンター側には注意義務違反があると指摘しました。

そして、静岡がんセンターを運営する県を相手取り3750万円余りの賠償を求める訴えを30日付で静岡地方裁判所沼津支部に起こしたということです。

静岡がんセンターは「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。