LIVE Qのコーナーです。今回のクエスチョンはこちらです。「土砂崩れの予兆?住民から不安の声、今、取るべき対策は?」静岡市葵区で民家の近くにある山が崩れそうになっているのではないかと付近の人から不安の声があがっています。家の近くに崩れそうな山がある時、私たちはどう行動すればいいのでしょうか。

 静岡市葵区で撮影された映像です。山から小石が崩れるような音が聞こえます。撮影した萩原ももさんを訪ねました。動画の山のすぐ近くに住んでいて、4月3日、4日と降り続いた雨の後から、小石が崩れるような音が続いていると言います。
<撮影した萩原ももさん>「(自分の)部屋が1階の下のところなので、窓を開けてすぐ山になる。山の方からずっとカラカラ落ちてくる音が今も1日に何回は聞こえてくる」
 静岡市によると、この山は以前は砕石場として使われていた場所です。現場は2016年にも崩れたことがあり、住民は避難を余儀なくされたということです。
<和田啓記者>「正午を過ぎて雨が降ってきました」
 雨に加えて、台風1号の接近もあり、住民たちは不安を感じています。
<撮影した萩原ももさん>「怖いですね。熱海土石流のこともあるので、なにかあったら怖いと思う」
<近くの住民>「やっぱり不安だよ。一刻も早く持ち主がわかって、削ってもいいとなってほしい」
 取材によると、この土地の所有者は現時点では不明。静岡市は13日に現地を訪れ、小石が落ちる音などを確認しました。市は斜面と民家の間には距離があるので、土砂が家に到達するおそれは少ないと判断していますが、近隣住民には山に近付かないよう呼び掛けたということです。また、今回、この地域では公民館を開放して、いつでも避難できるようにしています。このような場合、私たちはどんなことに気を付けたらいいのでしょうか?
<静岡大学防災総合センター 牛山素行教授>「市の許可がないと避難してはいけないということではない。私たち一人一人が『これは普段と違う』『安全をとって別の場所に移動しよう』と各自で判断して安全確保のために何らかの行動をとる、その場所から立ち退くことを含めて判断することが重要」
 今回、動画が撮影された場所は土砂災害が起きた際に住民に危険が及ぶ可能性がある「土砂災害警戒区域」に指定されています。県によりますと、県内には同様の区域が1万8218カ所あります。
<静岡大学防災総合センター 牛山素行教授>「この場所だけが特別に危険というわけではない。土砂災害は地形的に起こりやすいところで発生するのがほとんど。より綿密に気象情報を確認して早めの対応、行動をとることが重要」

 改めて、土砂災害の前兆と言われる現象です。生臭い土の臭いがするとか、小石の落下が見える、ひびが入る、がけの表面から水が流れるなどの現象が起きている際には速めの避難が必要です。夜間などで避難することが難しい場合は、2階に移動するだけで危機を避けることにつながります。いざというとき、臨機応変に行動できるよう備えをしておきましょう。