9月もすでに中旬ですが、静岡県内各地では「猛暑日」に迫るほどの厳しい残暑が続いています。夏から続く異常な暑さは、旬を迎える秋の味覚・栗にも影響を与えていて関係者は頭を悩ませています。
和栗をふんだんに使った栗蒸し羊羹。明治時代から続く静岡県掛川市の和菓子店です。栗の和菓子には、地元産の質の良い和栗を使っています。
<桂花園四代目 中村祐樹さん>
「(掛川の栗は)他の栗よりは香りも風味もあって、すごく深いコクもあってとってもおいしいと思う」
地元自慢の秋の味覚ですが、厳しい暑さによる影響を受けています。
<中村さん>
「ウチは農家が厳選した栗だけを入れてくれているので、お菓子には影響ないけど、(一般的に)栗の品質が落ちると、やっぱり風味も味も食感も変わってくる」
約300本の栗の木がある「ゆみげた栗園」です。例年、約1トンの栗を収穫していますが、実が大きくなっていないものが目立っているということです。
<ゆみげた栗園 弓桁治代表>
「暑さで、まだこれから実が大きくなるはずだったけど、(実が)入っていないやつがごろごろ落ちている。暑さには勝てないね。実が入っているけど(暑さで)病気が出てるね。虫の発生率も高い」
弓桁さんによりますと猛烈な暑さに加え、7月に入って雨が少なかった影響で水分が飛んで実が大きくならず、出荷できないものばかりになりました。毎日4トンの水を撒くなど対策をしていましたが、生育への影響を食い止めることはできず、2025年の収穫量は例年の6割ほどになる見込みです。
<弓桁代表>
「もう一度私は肥料をちょっと入れてあげて、後半の栗をなるべく大きいおいしい栗を作ろうとちょっと努力する」
自然の猛威に振り回される生産者たちは、残る収穫に望みを託します。