設備の修繕工事のため徒歩と自転車のみの乗船に限定していた駿河湾フェリーは9月12日、約8か月ぶりに車両の乗船を再開しました。一方、赤字決算が続くなど経営環境が厳しさを増す中、運営法人は「収支均衡の経営を目指していきたい」と話します。

<坂口将也記者 12日午前7時半頃>
「清水港にある駿河湾フェリーのターミナルです。きょうから車両の乗船が開始されるということで、早速多くの車が列をつくっています」

清水港と土肥港を結ぶ駿河湾フェリーは、2025年1月に岸壁とフェリーをつなぐ「台船」に損傷が見つかったことで運航が休止になりました。4月の新ターミナルオープンに伴い運航を再開しましたが、乗船は徒歩と自転車に限定されていました。

そして「台船」の修理を終え、9月12日、約8か月ぶりに車両の乗船が再開されました。

<名古屋から来た客>
「この日を待っていました。車、乗れるまで我慢していたので、きょうが迎えられて良かった」

<長野から来た客>
「海の景色見たり、富士山とか見られたらいいなと思う」

一方、駿河湾フェリーの2024年度の決算は約4400万円の赤字で、2期連続の赤字決算となっています。静岡県は9月補正予算案に、経営の安定化に向けた費用として3億1000万円を盛り込んでいますが、喫緊の経営改善が求められています。

<ふじさん駿河湾フェリー 山本東理事長>
「清水港フェリーを取り巻く関係者の方々にも、積極的にフェリーの乗船を働きかけて協力関係を築いていきたい。抑えるところは抑えて、適正な収支均衡を図っていくような経営を目指していきたい」

経営を立て直し、存続することが出来るのか。駿河湾フェリーは大きな正念場を迎えています。