10月13日、静岡県小山町で観光バスが横転し27人が死傷した事故で、警察は18日、事故を起こしたバスの検証を行いました。事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが捜査関係者への取材で新たに分かりました。
<中西結香記者>
「午前11時です。これからバスの車体の検証が始まります。バスは窓ガラスがなくなるほど大きく破損しています」
18日午前11時から始まった検証は、静岡県御殿場市のバスを製造したメーカーの施設で行われ、警察や技術者のほか、国交省の担当者者バス会社の社長らも立ち会いました。
13日、小山町の「ふじあざみライン」で起きた観光バスの横転事故では、1人が死亡、26人が重軽傷を負いました。
捜査関係者によりますと、事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが新たにわかりました。この警告音が具体的に何を示すのかなどを確認するため、午前中には警報音が正常に鳴っていたかの確認が行われました。
<中西記者>
「検証が始まって3時間半が経過しました。今タイヤが取り外されました。これからフェード現象が起こっていたかが調べられます」
この事故で、逮捕されたバスの運転手の男(26)は「ブレーキが利かなくなった」と話していて、ブレーキに空気を送りこむシステムに異常がなかったかやタイヤを取り外して、ドラムなどに摩擦による変色があったかなど、フットブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」が実際に起こっていたかなどを調べたということです。
捜査関係者によりますと、運転手と添乗員が事故直前、バスを止めるためのやり取りをしていたことがわかっていて、警察では18日の検証に加え、ドライブレコーダーの解析などから、事故の原因を詳しく調べています。18日行われたバスの検証の詳細は次の通りです。
【午前】
▼外観や車内の損傷状況
▼シートベルトが機能していたか
▼警告ブザーが作動するかなどを確認しました。
【午後】
▼タイヤを取り外し、摩擦によって車輪の回転を止めるブレーキシューが正常に動くか
▼ブレーキシューやドラムに変色があるかーなどを調べました。
摩擦で色が変わっていればブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」の可能性が高いということです。また、ブレーキに空気を送り込むシステムに異常があった場合も機能しなくなるため、その確認もしました。18日の検証で事故の原因究明に大きく近づくとみられます。