台風19号災害で浸水被害などを受けた長野と東日本大震災に見舞われた福島。
それぞれの地にある同じ「長沼」という地名で結ばれた2つの被災地を行き来して、被災した人を勇気付けて来た「奇跡のあじさい」の物語です。
故郷、福島の地へ。

10月19日、長野市長沼地区から、ある特別なあじさいがバスに載せられ出発しました。
福島県須賀川市藤沼湖で行われた植樹。

涙ぐむ赤芝道子(あかしば・みちこ)さん:
「喜ばなきゃいけないのにね・・・離れたくない」
7年の月日を経て、里帰りを果たしたあじさい。

過去、2度の災害を耐え抜いた奇跡の「奇跡のあじさい」です。
2011年3月11日、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災。

福島県の内陸部にある藤沼湖では堤防が決壊し、長沼地区と同じ地名の須賀川市長沼地区にはおよそ150万トンの水が押し寄せました。
地区では7人が死亡し、いまも1人が行方不明となっています。
震災から2年が経った、2013年の春。
水が抜け、荒れ果てた湖の底から、芽を出すあじさいが見つかりました。
「奇跡のあじさい」です。