10年前の7月9日に長野県南木曽町で起きた土石流災害。
この災害で亡くなった中学生と同学年だった男性が、町の職員として働いています。
「人の命を救いたい」とふるさとに残った思いを聞きました。


南木曽町の町営住宅。

「定期的に(草刈りを)やらないとお客さん見に来るので」

町の建設環境課に勤務する早川海斗(はやかわ・かいと)さん22歳。

職員になって5年目、主に町営住宅の管理を任されています。

早川さん:
「道路の関係とか住宅関係で行ったときに感謝じゃないけど、そういうの言われたときって、やっててよかったと感じる瞬間ではあります」

早川さんは10年前、中学1年の時に見た土石流災害のことを今も鮮明に覚えています。

早川さん:
「臨海学習から帰ってきて、学校で解散して、そこから自分の家に帰って、2、3時間したときに、家が停電して、何かおかしいなって話をしてたら、ここの沢が抜けて土砂が出とるって話で。線路があった橋も原型留めてないぐらいもうぐちゃぐちゃになってて、そのときは本当に言葉が全く出なくて…」

早川さんは、亡くなった榑沼海斗(くれぬま・かいと)さんと同じ学年でした。

早川さん:
「家が歩いて5分、10分ぐらいの距離だったので、隣のクラスではありましたけど、近くの公園遊びに行ったりとかっていうのはしてました。お互いやっぱり名前が一緒ってのも苗字で呼んだりとかってのも仲良くしてた部分も今になればそういうふうに感じる」

高校を卒業すると多くの同級生が町の外へ出る中、「人の役に立つ仕事がしたい」と早川さんはふるさとに残り町の職員になりました。

早川さん:
「ちょうど災害のことも頭に出てきて、役場なら人のためになるだけじゃなくて『命も救うこともできる』」

大雨が降ると道路の見回りなども行う早川さん。

災害が起きたら先頭に立って働きたいと前を向きます。

早川さん:
「雨降ったりして、きょうも若干そうですけど、木曽川の水位が上がったりとか、川にちょっと土が混じって、流れてくると、当時の土の混じった匂いというか、(臨海)学校から解散して帰ってくるときもそうですし、その匂いがどこ行ってもしてたんで、やっぱりその匂いがすると当時のことがフラッシュバックするってのもありつつ、役場の職員として自分が動ける限りは守っていけるようにしていきたいなとは思っております」