■「前に向かうための公演にしたい」来年3月の上演に向け稽古続く


7月2日、ミュージカルの初稽古が行われました。この日参加したのは吉栁さんら18人の市民。これから8か月余りをかけ歌やダンス、演技などを学んでいきます。さらに兵庫県加古川市在住の俳優・北原雅樹さんもゲスト出演します。


(北原雅樹さん)
「つらいことをずっと覚えていたくはないんですけど、前に向かうためにやっぱりもう一度その時のことを刻みながら、ちゃんと前に進めるような形になるような物語というか公演にしたい」

地元のアマチュア劇団などで活動してきた野瀬珠美さんも真備町有井の住民です。真備には大切にしてきた場所があります。

(野瀬珠美さん)
「芝居とか趣味で長くしていたので、劇場ってすごく楽しい場所というか、ここがきれいになったら芝居をしたいなって」

去年、3年ぶりに再開しミュージカルの会場となるマービーふれあいセンター。野瀬さんはかつてここの稽古場を借りて練習に励んでいました。

(野瀬珠美さん)
「自分ではそんなに落ち込んでいるつもりはなかったんですど、急に怖くなったり、ふとした瞬間に急に夢に見たり」


衝撃的だったと振り替えるのが災害ゴミの仮置き場となったマービーふれあいセンターの姿でした。地域の文化の拠点だった場所の惨状に心を痛めたという野瀬さん。センターの再開とミュージカルの参加者募集は、前を向くきっかけになったようです。


(野瀬珠美さん)
「真備に戻ってきてやっと薄れたような。折角帰ってきたので真備に残った人たちで盛り上げたい」

(マービー復興ミュージカル 大熊正喜実行委員長)
「水害5年目の、ひとつの復興の象徴的な場になれるように、地域全体が見るほうも心待ちにしていただけるように」



これから来年3月の上演に向けて稽古の日々が続く市民ミュージカル。災害の教訓はもちろん、ステージを通じて一歩ずつ前に進む今の真備の姿を観客に届けます。