じめじめとした梅雨…のはずが、雨の少ない状態が続いています。
「香川県の水がめ」高知県の早明浦ダムでも貯水率の減少が続くなど、梅雨にも関わらず渇水が進み、このまま雨が降らなければ過去最悪の状態となるおそれも出ています。
■梅雨に入って雨が降ったのは4日だけ

(リポート)
「きょうも厳しい日差しが照り付けていますが、季節はまだ梅雨。こうなると心配されるのが『水不足』です。こちらの噴水も、このように止まったままです。」

四国地方が梅雨入りしてから27日で2週間。この間、高松で雨が降ったのはわずか4日だけです。

(市民は)
「梅雨だとは思えない。水不足で遊べないから困ります」

「早明浦ダムはもう50%を割っているでしょう、10年以上前の水不足を思い出しますね」
■早明浦ダム このままでは7月中旬に貯水率0%に


四国の水がめ、早明浦ダム(高知県)の27日の貯水率は35.3%と、平年を大きく下回っています。その原因が去年から続く「降水量の少なさ」です。

6月は平年のわずか38.3%。このまま雨が降らなければ、これまでで最も早く早明浦ダムの水がつきる恐れがあるといいます。

(四国地方整備局河川管理課 阿部勝義 課長)
「このままでいきますと、7月中旬には『早明浦ダムの貯水率が0%になる』ことが考えられる状況にきています。」
■繰り返されてきた 香川の給水制限・夜間断水

(1994年の映像より)
「早明浦ダムの取水制限などに伴い、夜間断水を実施します。」


早明浦ダムの貯水率が0%となった1994年、香川県では日中の5時間しか水道水が供給されない給水制限も実施されました。


この時、同じ時点での早明浦ダムの貯水率は53.9%で、今年の方が早いペースで渇水が進んでいるのです。

気象庁も27日、緊急の呼びかけを行いました。

(気象庁異常気象情報センター 楳田貴郁 所長)
「この赤い色がついていれば、過去の統計をとっても『珍しい規模の少雨である』中国地方と四国地方は『降水量が少ない』という状況が際立ってきている」
■まずは節水への意識を


早ければ、6月末にも香川用水への取水率を50%カットする第3次取水制限が始まります。
香川県は宝山湖(香川用水調整池・香川県三豊市)の水を使い、対策をとる予定ですが、まずは節水を意識してほしいといいます。

(四国地方整備局河川管理課 阿部勝義課長)
「雨が降らない梅雨の年もあって、渇水が現実に起きているんだと認識していただくことが大事。より節水に務めていただくと」


雨傘よりも日傘の方が活躍している今年の梅雨。気象台は四国地方の梅雨明けも検討していて、天に祈るより、自ら節水に取り組む必要がありそうです。