日本で初めての孤児院を岡山に作り「児童福祉の父」と呼ばれた石井十次の生涯を描いた市民ミュージカル「慈愛と恵み 石井十次物語」。半年以上の稽古を経てきのう(17日)、岡山芸術創造劇場ハレノワで初日を迎えました。

(石井十次役・ひのあらたさん)「少しでも歩みを進めよう。強い意志、そして感謝だ。感謝の気持ちを込めるんだ」

RSK山陽放送の70周年記念事業として、ハレノワの大劇場で初日を迎えた公演です。明治時代、日本で初めての孤児院を岡山に作り、全国から3000人もの子どもを迎え入れた石井十次。その生涯をテーマに、約140人の市民らと作り上げたミュージカルです。

(石井十次役・ひのあらたさん)「♪たくさんお食べ我が子たち 空腹こそが罪の始まり」

東海で多数の震災孤児を出した大地震の様子は、鬼気迫るダンスと歌で表現されました。十次を献身的に支えるも、結核で亡くなった妻・品子との別れや、十次の思いに胸を打たれた大原孫三郎との出会いも印象的に演じられました。

(大原孫三郎役・四宮貴久さん)「慈愛を伝染させましょう」

RSKのアナウンサーも、十次の活動を報道する新聞記者役などで参加しました。十次が結成した孤児による音楽隊は就実高校吹奏楽部の高校生が演じ、オーケストラとの息の合った演奏で会場を盛り上げました。

(石井十次役・ひのあらたさん)「最後にひとこと言わせてください。子どもはこの国の未来なのです」

初演の会場には石井十次のひ孫の児嶋草次郎さんの姿もありました。

(石井十次のひ孫 児嶋草次郎さん)「石井十次のいちばん大事な『慈愛』を、訴えかけてくれた。私自身の魂が震えた。石井十次の魂をよみがえらせて、また新たな輪を作っていくことの始まりではないかなと」

(観客)「とてもおもしろかったです」

(観客)「本当に感動しました。『こういう人が郷土にいらっしゃった』ということは誇りですね」

初演を無事に終えた子どもたちの表情は達成感にあふれていました。

(出演者)「最後は出演している自分も泣いてしまいました」

(出演者)「『やってきてよかったな』と思えたのと、(お客さんが)『観に来てよかった』と思える舞台になったと思います」

(出演者)「仲間たちみんなと作り上げていくのが新鮮で、楽しかったです」

公演はきょう(18日)も2回行われ、その様子などはRSKテレビで来月(10月)14日午後4時から放送します。