きょう(20日)中国地方と近畿地方、東海地方で梅雨明けしたとみられるという発表がありました。一方で四国地方の梅雨明けの発表はまだです。南から梅雨入りして、南から梅雨明けすると思っていましたが、今年はちょっと事情が違うようです。

「梅雨前線が南下して晴れているので梅雨明け」

いやいや、これは梅雨の中休みでしょ?そんな声が聞こえてきそうです。
今週初めの蒸し暑さに比べて、きょうはカラッとした暑さで、確かにこれまでの暑さとは違います。梅雨前線の北と南の空気の違いを感じます。
南下した梅雨前線はいずれ北上するため、また梅雨が戻ってくると思いますが、そのときはどうするのでしょう。そんな疑問を持ちながら、梅雨明けの発表がなかった四国地方について、高松地方気象台に聞いてみました。

「梅雨前線が北上して梅雨明け、ばかりではない」

四国地方は、衛星画像でもわかりますが、雲がかかり、実際に雨も降っています。これでは到底梅雨明けの判断にはなりません。
じゃあ、四国の梅雨明けも前線がさらに南下していくと発表されるのでしょうか。そう尋ねると、「梅雨前線の位置だけで梅雨を見ているのではなく、くもりや雨という天気も見ています。梅雨前線が北上するだけでなく、南に下がって不明瞭になることもあります。前線の位置だけで梅雨明けを判断するわけではありません」

きょう(20日)の梅雨明けについて、広島地方気象台も「梅雨前線が南海上で一時的に消えて、次に現れるのは太平洋高気圧が強まって北のほうになる予想」と説明しています。
調べてみると2021年も、四国より中国地方のほうが先に梅雨明けしました。時々あるのかと思いきや、その前は1976年までさかのぼりますから、珍しいことです。(確定値での記録)

でも、梅雨前線の動きはとても予想が難しく、事実、このところの週間予報は日ごとに変わっていて、梅雨明けの発表をいつにするかは判断が難しいようです。梅雨前線が北上してきて、いつ梅雨空に戻らないとも限りません。そんな中で、平年に近く、「いまだ!」という発表のタイミングがあったのではと勘ぐってしましますが、予想に反して前線が北上してきたときには「戻り梅雨」という言葉を使いながら、説明をしていくしかないですね。(気象予報士 高畑誠)