ノートルダム清心女子大学などが発掘を進めてきた古代トルコの遺跡の調査報告が行われました。従来、メソポタミアと思われてきた都市の起源説を覆す可能性が報告されています。ノートルダム清心女子大学や岡山大学などで作る研究グループが調査開始から15年の節目を迎えたことを受けて発表したものです。

報告会ではトルコ中部高原にあるキュルテペ遺跡の発掘で2021年に紀元前3300年前後のものと見られる大規模な建築の跡を発見したことが紹介されました。


(岡山大学 山口雄治助教授)
「これが壁がジグザグになっているのが大きなポイント。上に穴が開いているのがそれに伴う部屋がある初めてのタイプの大規模遺構」
従来、都市の起源はメソポタミアと考えられて来ましたが、今回の発見は同じ時期にトルコにも巨大都市があった可能性を示唆しているといいます。
(ノートルダム清心女子大学 紺谷亮一教授)
「今までは都市の発生というのはメソポタミアが起源だと。そこは農業を基盤にしたものが都市だと規定されていた。もしキュルテペ遺跡が都市の出現のひとつであるとしたら、バックグラウンドは農耕ではなくて交易」

周辺では鉱山跡とみられる遺跡も見つかっていて、希少鉱物の交易で都市が発展した可能性もあるといいます。研究チームは8月からさらなる発掘調査を行い遺跡の解明を続けたいとしています。